人とイルカの関係に関する研究
イルカ(鯨類)は、およそ4000万年前に陸から海へ戻った哺乳動物であり、水棲生活に完全に適応した海洋生態系の最上位に位置する動物です。脳の大きさから推測される知能や、群れを形成しさまざまな鳴音によって個体関係を構築する能力などから、イルカは地球上で人と関係を築く大きな可能性を持つ生物であると考えられます。 動植物・自然環境が人々の健康に与える影響は計り知れませんが、この分野に関する研究は、欧米先進国の取り組みと比べると遅れています。特に、イルカに関しては、野生動物であるなどのさまざまな要因から他の家畜動物と比べると科学的データが少ないのが現状です。1978年にベッツィー・スミス女史によって始められたイルカ介在療法(Dolphin Assisted Therapy)は、動物介在療法のなかでも、その効果が犬や馬を用いた場合よりはるかに大きいとされ、日本を含めた各国で実施されつつあります。しかし、イルカを飼育管理維持することは容易ではなく、その効果も科学的に実証されているわけではありません。このような観点から、イルカが人の健康へ与える効果について科学的に明らかにするとともに、イルカ介在活動・療法を正しく評価検討し、イルカとヒトの新しい関係構築を目指して研究を行っています。
